老化を測るものさし〇〇〇〇
本日は老化の指標「テメロア」について書いてみようと思います。
テロメアは染色体の端っこにあるDNA本体を守るキャップみたいなもの。
このテロメアが細胞分裂のたびに少しずつすり減っていくことで細胞は老化していきます。
テロメアが短くなると、たるみ、シワ、心臓病やがん、糖尿病、骨粗鬆症などになりやすいという研究が報告されています。
そのためテロメアの長さは細胞の老化具合の指標となるのです。
このテロメアの長さは、肥満や喫煙、運動不足などの生活習慣やストレス度合によって差が出ることが分かっています。
ところで、細胞の老化の指標であるテロメアが短いことと、「見た目が若く見える&老けて見える」ということには、はたして相関関係があるのでしょうか?
このことを調べた研究がありました。
南デンマーク大学の教授のカーレ・クリステンセン教授の2009年に「British Medical Journal誌電子版」に発表した研究です。
2001年に70歳以上の1826人の一卵性双生児の写真を20人の看護師、10人の若い男性、11人の中年の女性に見せて、見た目年齢を推測してもらいました。
そして7年後の2008年に、双子の生存状況を調べると、675人の方が死亡していたのですが、その死亡していた人のほとんどは、2001年の段階で、実年齢より老けて見られていた方々だったのです!!
興味深いのは、双子の間で見た目年齢の違いが大きほど、老けて見えたほうが、もう一方より早く死亡する確率が高かったこと。
更には、研究では被験者の染色体とテロメアの長さも調べています。
すると、実年齢より若く見えた人ほど、長いテロメアを持っていることが分かったそうです!!
年齢、性別、職業背景はこの結果に影響しませんでした。
うわーー!これは大変な話ですよね。
見た目と細胞の老化がリンクしているだけでなく、寿命にまで関わっているとは!!
でも、一度短くなったテロメアって、もうどうしようもないのでしょうか?
ところが、そうではないことが、カルフォルニア大学サンフランシスコ校予防医学研究所所長のディーン オーニッシュ博士が、2013年に医学誌「ランセット オンコロジー」に発表した研究結果で分かりました。
オーニッシュ博士らは、危険性の低い前立腺がんと診断された男性35人を選び、2グループに分けました。
生活全体を見直してもらう群10名と、従来通りの生活をする群25名です。
さて、5年後どうなったと思いますか?
なんと生活全体を改善した群は、テロメアの長さが10%増加していたそうなんです!
それに対して従来通りの生活の群は、平均3%テロメアが縮小していたそうです。
テロメアは加齢と共にすり減っていくものなので、3%縮小はむしろ普通のなのかもしれません。
しかし、5年経っているのに、減るのではなく10%も増えたって!!!
これは、かなりの朗報ではないでしょうか?
しかも、ライフスタイルの変更を厳格に守っていた人は、より劇的にテロメアが長くなったということです!
改善した群では、ガンが進行していた人は5%。
従来通りの生活の群では、27%の方のガンが進行していたそうです。
さて、オーニッシュ博士が彼らにお薦めした生活スタイルは、はたしてどのようなものだったのでしょうか?
1、野菜、果物、ホールフードを食べる
果物と野菜、豆の摂取量を増やし、野菜なら葉から根まで、穀物は未精製で食べる。
植物ベースの食事にし、脂肪と精製炭水化物は少なめに。
これにより、GI値が低く抑えられることがポイントだそうです。
2、適度な運動をする
1回30分の運動(ウォーキング等)を週に6回行う。
3、ストレッチ、瞑想
ヨガをベースにした簡単なストレッチ、瞑想、呼吸法などを毎日1時間行う。
4、グループサポートを受ける
週一度、グループサポートへ参加。
仕事や生活での悩みや不安を相談できる相手を持つことが大切だそうです。
食事だけでなく、軽い運動や、瞑想、ストレスの解消が大事だということが、この内容を見ても分かりますね。
テロメアを語る上で、ストレスや心というのは、どうしても外せないものです。
テロメアは太りすぎや喫煙など、生活習慣でより多く擦り減っていくことが分かっていますが、ストレスが多い人のほうが、テロメアがよりすり減りやすいのです。
さらには、同じストレス環境にいても、そのことを「ストレスだ」と感じている人は、ストレスをあまり感じていない人に比べて約17年分もテロメアが短いと言う実験データがあります。
起きた出来事は変えられませんが、出来事そのものより、それを心がどう捉えるかによって老化のスピードが変わってしまうのです。
生きていればいろいろなことが起こりますから、物理的なことも含めて、ストレスはつきものです。
どんな人も、大なり小なり、きっとストレスを完全に避けることは出来ないと思います。
大事なのは、起きた出来事のとらえ方。
そのことがテロメアを守るためにも、活性酸素を過剰に発生させないためにも、心の健康のためにも大切なことだと思います。
私はストレスを感じた時は、修行のチャンスだなって思う事にしています。
筋トレと同じですね。少し負荷がかかったら、そのあとは筋肉は厚くなり力が強くなるので。
もちろん、怒りや悲しみを感じることもありますが、その感情に溺れないようにしています。
怒りを抱いている自分を客観視しようとしてみるだけで、ものごとの別の面が見えてきて、気持ちが落ち着く場合が多いです。
この時、ミネラルとオメガ3脂肪酸、トリプトファンを不足なく摂っていると、脳の神経細胞の連携が良いのでうまくいきます(笑)
トリプトファン補給は、マヤナッツコーヒーがおススメです。
そして変えられるのは自分だけだと考えています。
他人のせいにすると、ストレスや無力感を感じるばかりですが、起きる出来事はすべて自分が生み出していると考えれば、努力していくことが可能です。
もう1つは感謝という魔法ですね。
ないものを探さず、すでにあるものを当たり前だと思わず、出来るだけ感謝の気持ちを持つこと。
幸せとは、「起きる出来事そのもの」ではなく、「起きる出来事の中に幸せを感じ取れる心」のことだと私は思っています。
もう1つ重要なこと。
自分自身を振り返って、心のアンチエイジングにとってすごく大事なことの1つは「自己肯定感」だなと思っています。
自己肯定感とは、どういう自分であれこの地球に生かされている一つの大切な命としての自分を、欠点丸ごと愛するということかなと思います。
自己肯定感は、すべての愛の始まりだと感じています。
自分を大切にしていると、不思議と自己本位にはならず、自然に他者や地球環境も大切に感じるようになります。
これをちゃんと持っていると、基本的に心が安定しているので、ストレスを感じること自体も減っていくように思います。 細胞から、テロメアから、健康で美しくなれる方法の探求を、これからも続けていきます。