免疫を最高レベルにアップさせる方法
本日は「免疫」について考えてみたいと思います。
免疫は何も抗体を作る「リンパ球B細胞」が主役の「獲得免疫」だけが主役ではなく、粘膜免疫やマクロファージ、顆粒球たちによる「自然免疫」もあるので、健康な人であればこの「自然免疫」だけで新型コロナをやっつけているという話で一時期話題になりました。
リンパ球も発動させないで、粘膜免疫とマクロファージだけでちゃちゃっとやっつける!
この話は、免疫の基礎が分からないとちょっとだけ分かりにくい話なんですが、簡単にまとめておきます。
私たちの体の中には、細菌やウイルス、癌細胞などとたたかう、免疫細胞がいます。
これが血液の中の白血球たちです。
大きく分けて
マクロファージとかの単球グループ(5%)
顆粒球グループ(60%)
リンパ球グループ(35%)
の三種があります。
例えばウイルスは、主に鼻や喉の粘膜を突破して体内に入り込もうとします。
この粘膜を突破されないように丈夫にしておこうというのが、「粘膜免疫」ですね。
粘膜免疫が破られると、白血球の出番です。
最初にマクロファージ、樹状細胞などの単球や顆粒球たちがこれらをやっつけますが、マクロファージは大食いで相手をパクパク食べます。
顆粒球も相手を食べたり、活性酸素爆弾をなげつけたりします。
この人たちは、なんというか肉体派ですね。
あまり作戦とか武器の緻密さとかありませんが、手当たり次第で異物をやっつけてくれます。
ここまでが「自然免疫」です。
「自然免疫」でウイルスを排除できなかったら、「獲得免疫」の出番です。
これには数日を要します。
樹状細胞やマクロファージが頭脳集団のリンパ球たちに相手の情報を伝えて、今度はリンパ球達が出動します。
最初に刺激を受けるのがリンパ球の中の「ヘルパーT細胞」。
樹状細胞からの指令を受けてリンパ球たちに指令を出します。
指令を受けた「B細胞」は情報を分析して、敵に一番効く「抗体」というオーダーメイドの武器を作り出し、リンパ球たちはそれを敵にぺたって張り付けて、やっつけてしまいます。
ただ、免疫の花形と言われるこの「B細胞」たちが作る抗体は、細胞のまわりでうろついているウイルスはやっつけられますが、自分の細胞の中に侵入したウイルスには太刀打ちできません。
ウイルスに感染した自己細胞を殺すことが出来るのは、「ヘルパーT細胞」の兄弟である「キラーT細胞」だけなのです。
これは、一番初動に動くリンパ球でもあります。
自然免疫は「粘膜免疫」、「マクロファージ」、そして「T細胞」この3つが重要だとされています。
ここでやっつけてしまえば、本格抗体を作る「B細胞」というラスボスの登場を待たずして、チャラーっとウイルスをやっつけてしまえるのです。
濃厚接触者なのに、PCR検査すると陰性で、しかも抗体検査しても抗体もないんだけど、一体どうなってるの?って方にこのT細胞反応というのが観察されているそうです。
まぁ、ここに交差免疫というのも関わるかもしれないんですが。
この自然免疫、そしてT細胞、すごく重要です。
粘膜免疫を高めるために一番大事なのは、「血流」と「体温」です。
体温が1度下がると、免疫力は約30%低下します。
なぜなら、免疫を担う白血球たちは体温が高くなると活動しやすくなるからです。
体が冷えていると免疫細胞の働きが悪くなるので、ウイルスが増殖しやすくなります。
とにかくまず言えるのは、よほどのことがない限り、解熱剤は使っちゃいけないということ。
40℃以上で脳が危ぶまれるとか、衰弱がひどく水分も取れず痙攣しているととかじゃないければ、熱を下げるとウイルスを喜ばせることにしかなりません。
もう1つ大事なのが、血流!
免疫細胞は血液の中をパトロールしていますので、そもそも血流が悪いと、警備員が現場にかけつけられません!
睡眠不足や疲労、ストレスや更年期などでも交感神経が優位になり血管が収縮しますし、甘いものを食べ過ぎると、赤血球同士がくっつき、血流が悪くなることがあります。
人間の体って実は毛細血管だらけなんですよね!
人間の血管の99%が実は毛細血管、毛細血管をつなぐと、地球2周半分もあると言われています。
いろんな栄養をとっても、毛細血管がないと、体のあちこちに運ぶことは出来ません。
免疫細胞の白血球を運び、ウイルスや細菌から守る役目も、毛細血管が担っています。
毛細血管は、体の道路、インフラなのです。
毛細血管で必要な場所に白血球を届けて、ウイルスや細菌をやっつけています。
なんと毛細血管の内皮細胞からも外敵をやっつける成分が分泌されて白血球を助ける働きまであります。
ところが毛細血管は年齢と共に弱っていってしまうんですよね、血管の壁が弱くなってくる。
血管の量も減っていき、それが40代から加速し、例えば60代になると平均して40%も減るんです。
食生活が悪いと若い人でも、血管の弾力性が弱ったり、汚れで管が狭くなったり、赤血球同士がくっついたりして、
血液が通りにくくなると血管自体がゴースト化していき、新陳代謝しても全部再生されず徐々に毛細血管の量が減っていってしまうのです。
まずは血管壁を弱らせるような生活習慣をやめることです。
糖質の摂りすぎ、動物脂肪やトランス脂肪酸の摂りすぎ、塩分の摂りすぎ、
添加物や残留農薬、ストレスなどによる活性酸素などが、血管を弱らせていきます。
血管は、内側の内皮細胞と外側の壁細胞がしっかり接着しているのが、正常で安定した状態です。
加齢で壁細胞と内皮細胞の接着がもろくなり、隙間が出来ると老化した血管になります。
この内皮細胞と壁細胞をくっつける「接着剤」とも言えるのがTie2(タイツー)です。
通常は壁細胞からTie2を活性化させる物質が分泌しているんですが、加齢とダメージで出にくくなります。
「ヒハツ」という長コショウに含まれる「ピペリン」という成分はTie2を活性化させることが分かっています。
「ルイボス」や「シナモン」にも、この働きがあります。
また、シークワーサーの果皮には「ヘスペリジン」「ノビレチン」といったフラボノイドが多いんですが、これも毛細血管強化に役立ちます。
血流を改善し、末端の冷え性改善や、全身の隅々に血液(栄養)を届けやすくなります。
ヘスペリジンは花粉症などの抗アレルギー成分としても有名です、ヒスタミンを抑制するので。
女性は冷え性だという方が多いです。
そして低体温に悩む方も現代では増えていますよね。
まず熱を作り出す筋肉が女性は男性に比べて少ないということもあります。
あとはホルモンバランスや自律神経の影響で、体温調節がうまくいかない、冷えているのに血管が収縮できない、熱を作り出せないという場合もあります。
今は夏ですが、冷房や冷たい飲み物で意外と体は冷えています。
血管を丈夫にすることも大事ですが、血流が良いと血管はゴースト化しにくく、
血流が良いと新たな毛細血管をニョキニョキ伸ばすことが出来るんです。
努力次第で、いくつになっても毛細血管はよみがえり、増やせるんです。
ショウガの特有の成分「ジンゲロール」の多い金時生姜を蒸すことで、
「ショウガオール」という活性成分が増すんですが、これは血流改善に効果的です。
ジンゲロールは、末梢血管の拡張に効果的で、手足の末端血流を促進しますが
ショウガオールは糖質や脂質を燃焼させ熱生産させる働きがあります。
ぜひ普段の食生活に生姜やルイボスティやシナモンなども取り入れてみてください。
もう1つ、血流と体温UPに大事なのがお風呂です。
40℃~42℃のお風呂での入浴も、免疫力アップに大変効果があると思います。
白血球が元気に働けるようになります。
首までの全身浴がおすすめです。
この季節、シャワーですませる方が多いでしょうけど、
3日に1度は、湯舟に入ってみて下さい!
効果は絶大です!
わたしのおすすめ的には、普段は40℃で15分から20分湯船につかること。
週一くらいで「42℃を10分」というのもヒートショックプロテインというアンチエイジングに良いたんぱく質を増やすので、いいと思います。
ただし、血圧の高い方や心臓や脳の血管に問題がある方などは、あまり高い温度のお風呂に入らない方が安全です。
乾燥肌の方も、湯温が高いと皮脂を奪いすぎて乾燥がひどくなる場合がありますので、その場合は38℃~39℃くらいがおすすめです。
温冷交互浴と言うのも、毛細血管や血流改善、ミトコンドリア活性に良いです。
最初に15分温かいお風呂に入り、20℃くらいのシャワーを手足にさっとかけ、
また3分温浴、さっと冷浴、3分温浴と3度ほど温冷交互浴すると
血行がとても良くなり湯冷めもしづらいです。
お風呂に入ると1時間半後くらいにはいい感じで眠くなります。
眠れていると免疫も上がるし、傷ついた血管も修復できます。
「ヒマラヤ岩塩」を入れると硫黄が皮膚から浸透して血管を広げされに血流が良くなります。
塩の効果で湯冷めしにくくもなるのでおすすめです♪
炭酸温泉なんかも、血管を広げてくれるので血流改善には良いです。
粘膜や毛細血管が丈夫なこと、血流が良いこと。
「自然免疫」を高めることは、まさにビューティーエイジングでもると私は思っています。
さて、自然免疫の高め方について、ウイルスの受容体であるACE2の観点からも大事なことがあと少し。
そして、一番怖い免疫の大暴走サイトカインストーム対策など、また今度まとめたいと思います。